皆さん、「速読術」って、ご存じですか?
文字どおり本を速く読むことですが、その速さは通常の読書と比べたら段違いです。
私が高校生だった頃、TV番組で「速読術」を特集していて、200ページくらいありそうな本の一部をパラパラと数分間読んだ(見た?)後に、その本の内容を話す、ということをやっていました。
「ホントかな?」と半信半疑でしたが、「これができたら受験に有利になるな」と考えて、関係する本を買ってきてしばらくの間、練習していたことがありました。
この記事では、大学受験や資格試験に挑む予定のあなたに向けて、私が高校生のときには挫折した「速読術」の習得を新たに試した実体験を紹介します。
そして大学受験や各種資格試験に応用できるか、実際に応用する上で気を付ける内容についても書いていきたいと思います。
特殊な能力を持った人にしかできないのでは?と思っていた「速読術」ですが、ちょっとしたコツと練習で誰でも簡単に習得できる技術です。
速く正しく読む力『速読解力』が、すべての学習の基本です。(オンラインなら全国で学べます)速読の速さ
「速読は速いって言うけど、じゃあどんな速度なの?」って質問が出そうなので、まずそこからのご紹介です。
速読の読む速度ってどんなくらい速いの?
通常の大人でしたら
訓練前は、 600文字/分ですね~
訓練後は、2000文字/分くらいになりますよ
一般的な読む速度
速読術の訓練をしていない人の一般的な読む速度は次のように言われています。
・小学生(低学年):約300文字/分
・高学年~中学生 :約500文字/分
・高校生~社会人 :約600文字/分
一般的な文庫本の1ページが500~800文字と言われているので、高校生以上になると、1ページを1分程度の速度で読んでいることになります。
私自身もおそらく、それくらいの読む速度だと認識しています。
職場での昼休み、「あと10分でチャイムが鳴るからあと10ページ読めるな」といつも計算していました。
手元に文庫本があったので調べてみると、1ページあたり40文字で15行、つまり600文字でした。
15行を60秒、つまり1行あたりを4秒で読んでいる計算になります。
速読術による読む速度
速読術を身に付けると、この速度が飛躍的に上がります。
一般的には、2000文字/分が一つの目安となっているようですが、これは先ほどの例で計算すると40文字×50行となりますから、1行を1.2秒で読んで行くことになります。
先ほどは4秒と比べると、3倍を超える速さですね。
別の見方をすると、見開きの2ページを2分で読んでいた計算になるので、2分ごとにページをめくっていたのが、これを36秒ごとにめくることになります。
とんでもなく速いわけでもなく、できそうな気もしますが、実際にやってみると目が疲れます。
1.2秒で1行を往復するわけなので、眼球の筋肉がかなり疲れます。
そして、この2000文字/分は速読術の最低ラインなのです。
速く正しく読む力『速読解力』が、すべての学習の基本です。(オンラインなら全国で学べます)速読上級者の読む速度
1冊の本を3分とか10分とかの短時間で読む上級者の速読もあります。
200ページの本を10分だと、1分当たり20ページ、1200文字です。
12000文字/分なので一般大人600文字/分の20倍の速度です。
冒頭で紹介したTV番組で観た速読の人は、このレベルだったのかも知れません。
一般人ではなかなか到達できない領域のレベルだと思います。
まずは、速読術の最低ラインと言われる2000文字/分ができれば、受験のライバルに対しては、それだけでも十分なアドバンテージになりますね。
速読のコツ
かなりな速度で目を上下または左右に動かして文字を読むわけですが、このとき重要な要素が2個あります。
おそらくこの2個は、速読ができるようになるための必須条件です。
心の中で朗読しない
皆さんは文字を読むとき、心の中で声に出して読んでいませんか。
例えば、「花、草、茎」を読むとき、心の中で「はな、くさ、くき」と言っていますよね?
速読をするときは、これをしてはダメなんです。
花・草・茎の文字を、画像として脳が認識するようにします。
文字群をして捉える
文字を映像として捉えることができるようになると、脳の認識力が高速化されることが分かります。
パッと見て認識できるので、短い文ならすぐに理解しています。
この能力を強化して、一定のかたまりの文節や文章を一瞬のうちに認識できるようにするのです。
一文字一文字または単語レベルでの認識から、ある程度のかたまりの文節や文章で瞬時に認識できるようになると、理解認識は速くなり、その結果として速く読めるのです。
瞬時に広い視野で大きな文字のかたまりを捉えて認識できるような訓練が重要となります。
速読を習得するための訓練内容
さて、速読のコツを小難しく説明しましたが、そのための訓練内容をご紹介します。
実際にこの速読術訓練のカリキュラムで体験した内容ですが、同じものがYouTubeの動画に上がっていたので紹介します。(音が出ます)
以下に内容について、簡単に紹介します。
眼球運動
ページの端から端まで眼球を高速で動かす訓練です。
上下左右に「動く点」を目で追います。
眼球を高速で動かす訓練です。
一般的に日本の書籍では、縦書きの本と横書きの本があるのでそれらに対応できるような動きになります。
視野拡張
楕円や長方形が中央から徐々に拡大しながら広がります。
その全体を見ながら目で追いかけて視野の拡大を図ります。
普段使わない領域まで楕円や長方形は広がって行きますが、焦らずに追って行きましょう。
文字認識
画面に無作為に散らばった5~6個の単語を認識していきます。
瞬時に消えるので瞬間瞬間に認識記憶して、それらがどういった関係の物事を表しているかを類推します。
私が体験したものは、関連する単語群からむかし話や寓話のことを当てるものでした。
「亀、竜宮城、鯛、けむり…」→浦島太郎
「灰、犬、悪い爺さん、枯れ木…」→花咲じじい といった具合です。
なぞり読み
画面上に文字が表れて、カラオケの歌詞のように読むべき部分の色が変わって流れていきます。
最初は普通に読める速度ですが、徐々に速くなって最後は全く追い付かなくなります。
途中で速度が緩む場面があって、何となく追い付ける気がするのですが、速く読む訓練になっています。
追い付けなくても構わないので、高速の文字を追いかける訓練として続けていきます。
速く正しく読む力『速読解力』が、すべての学習の基本です。(オンラインなら全国で学べます)速読をするメリットとデメリット
速読をするととにかく目が疲れて、脳も疲れると思います。
それだけ集中して情報処理をするので、訓練をする際も徐々に進めていく方がいいでしょう。
速読のメリット
言うまでもなく、情報の処理が速くなります。
大学受験にしても資格試験にしても、膨大な量の問題を決められた時間内で処理する必要があるので、この処理速度が上がるのは非常に有利です。
また、短時間で処理することは集中力が必要となるので、集中力アップの訓練にもなります。
速読のデメリット
デメリットは基本的に「無い」と考えています。
情報を処理する能力が高くなるのですが、速くて支障があるなら遅い方にあわせればよく、基本的に問題はありません。
唯一言えることは、「せっかく買った本を短時間で読んでしまってもったいない」ということでしょうか。
大事な本は、読む速度を落としてゆっくりじっくり読むようにしています。
受験への応用
速読は訓練すればするほど、その処理能力は上がって行きますが、各個人の持つ情報量によってその速度の限界があります。
例えば、法律の専門家が法律書を読む場合と素人が読む場合では、持っている知識の下地が違うので、速読能力が優れていても速度は上がりません。
難解な問題や難しい言い回しなどだと、速度を落としてしっかり読み込む必要があります。
また、人それぞれの性分の違いもあって、私のように文字を隅々まで読まないと気が済まない、というタイプは速読には向かないのかも知れません。
私自身が資格試験の受験のときに速読を挫折した理由の一つがこれです。
大学受験や資格試験の問題は、どれも受験生をふるい落とすために難しく作られているため、必ずしも速読術でサッと読めない内容が多くあるので、じっくり精読する方が良い場合もあります。
例えば国公立大の受験の場合で言うと、比較的平易な出題の一次試験と難解な問題が多い二次試験がありますが、難易度の平易な一次試験であれば、速読術を極めて行けば有効に使えるでしょう。
一方、難解な問題の多い二次試験の場合は、問題文を読むときは速読が使えます。
国語や英語など、文の中身や行間を読む必要がある場合は、速度を落として精読します。
社会人になって受けた資格試験も、法律系が多かったので言葉が難しい言い回しが多く、速読には適さない内容でした。
その代わり、受験には関係ないですが、例えば先の展開が気になる推理小説やサスペンス系の本を読んでいると、驚くほどの速度で読んでいるので、これも速読を訓練した効果なのかな?と思っています。
実体験を紹介
既に大部分が既出ですが、協会の無料お試し期間を利用させてもらいました。
難解な部分をじっくり読みたい性分で、文庫本などで本を読んでいても頭の中で朗読する癖が抜けなくて、最低ラインと言われる2000文字/分をやはり達成できないでいます。
本をたくさん読む人に言わせると、「すべてを読もうとするな、80%でよい」と言われますが、ページの隅から隅まで一言一句漏らさず読まないと気が済まない性格なので、これはどうしようもありません。速読向きではないと自分でわかりました。
お試しの訓練では、定期的に自分の読書速度を測定して自分の進歩を数値化していました。
『速読解力を強化』在宅オンライン学習もあります。
調子のいいときは1800文字/分程度の数値を出したこともあるので、変にこだわらずに速読訓練を続ければ、速読術の最低レベルまでは到達できるのかも知れませんが、私自身は今は受験や資格試験を受ける予定がないので、本をじっくり読むことにします。
つまり、挫折しそうな人間の負け惜しみです。(笑)
これから受験を受けてたくさん本を読んで情報をどん欲に仕入れて行こうとする人は、ぜひ有効にこの速読術を習得して、利用して行ってください。
まとめ
人間の脳は大きな潜在能力を秘めているため、パッと見の情報に対応して高速で取り込める能力を持っていますね。
なのでこれを上手く利用すれば、かなり有用な方法として受験や資格試験で勝つことができるでしょう。
私が中学生や高校生の頃には、インターネットなどが無く、このように速読術とその訓練をする方法論が充分でなかったので、今もしこれを有効だと思う人がいたら、ぜひ試してほしいと思います。
絶対に勝てると思います。
そしてこれを受験のタイミングに身に付けようとすると実は手遅れかも知れず、受験勉強を始める前のタイミングで取り組みを始め、ぜひ受験に活かしてほしいと思います。
健闘を祈ります。
―了―
コメント