ガラス容器のねじ込み缶フタを簡単に開ける方法

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フタが開かない

ガラス容器のフタが開かなくて困ることってよくありますよね?
ジャムなどを入れているガラス容器に金属製のねじ込み式でフタしてるアレです。

フタに輪ゴムをかけてしっかりにぎって回してね、とか、力持ちの男性に頼むとか、方法はよく言われますが、一番有名なのは、フタを温めること…

でもフタを温めたら開けやすくなるってなぜ?
一体なんのおまじない?と思いませんか?

科学的に解説

この記事では、ジャムなどを入れているガラス容器のフタが、「温めたら開けやすくなる理由」と、どのような温め方が一番安全で確実かを、エンジニアやってる私の目で書いていきたいと思います。

実はおまじないではなく、キチンとした科学的な理由があるのです。

熱で伸びる

では、その内容を話していきますね。
まずフタを開ける方法です。

フタの部分を集中的に温めてください。

給湯器などでお湯をかけるのが一番手軽ですね。
ちょっと「熱っ…」って思うくらいのお湯(50~60℃くらい)を10~20秒ほどかけて続けてください。
ビンの本体じゃなくて、フタの輪っかの部分を狙ってくださいね。

ここを狙う理由ですが、
低温でこの輪っかがギューっと縮んで締まっているのです。

西遊記に出てくる孫悟空(ドラゴンボールじゃないよ)の頭の輪っかみたいに縮まっているのです。

だから、この輪っかの締め付けを緩めてやれば、驚くほど開けやすくなります。
その方法が、温めることなんです。

私が子供の頃は、母がガスコンロの火であぶってましたが、温度が上がり過ぎるしヤケドが怖い。
ビンの内容物が熱にやられないかとちょっと心配ですね。
だからシンクでお湯がでるならそれが安全です。

フタは主に鉄でできているので、熱の伝わりも良く、場所を変えなくても10~20秒も当てていればフタ全体の温度が上がり、フタが膨張して伸びて開けやすくなります。

ちょっと難しい話

詳細な説明をします。
容器はガラス製で、フタが金属だという組合せに注目します。

鉄はガラスよりも伸びやすい

通常、熱を加えるとほとんどの物質は伸びるので、その性質を利用します。
一般的には熱膨張っていいますね。

熱で物質が膨張する現象は、物質ごとに一定の性質を持っていて「線膨張率」と言う言葉で数字で比較できます。

容器:ガラス [0.000009]
(厳密には、ソーダ石灰ガラスが多い)
フタ: 鉄 [0.000012]
(厳密には、ブリキ。鉄に金属の「すず」でメッキしたもの)

[ ]で書いた0.000009や0.000012が、物質特有の線膨張率です。
これに長さと温度差を掛け算すると、伸び量の計算ができます。
鉄だと、0.000012×1000×50= 0.6
これは1メートル(1000ミリ)の鉄棒の温度を50℃上げたら、0.6ミリ伸びる、ということです。

面倒くさくなって来ましたね。
まあ早い話が、温度が上がったら輪っかが伸びて緩くなったので開けやすくなった、ということです。

冬は温度が下がるので、逆に鉄のフタは縮まっていますので、
冷えて縮んでギュウギュウに締め付けていたけれど、それが熱で伸びて緩んだので開けやすくなった、ということです。

フタの輪っかの円周が伸びることを計算して、緩むことを数字で出そうとしたのですが、フタと容器の摩擦なども考えないといけないのでややこしく、ここでは省きます。興味ないですよね?

さてここで、一つ気付くかも知れません。
ガラス容器の口は熱で伸びないのか?

はい、厳密には伸びています。
ですが、10〜20秒程度なら無視して良いレベルです。
仮に伸びたとしても、線膨張係数0.000009は、鉄より小さいです。

温度を上げたら伸びる量も大きい

また、フタを熱く温めれば温めるほど、伸び量は大きくなります。
そのため、開けるのに力が少なくて済みます。

ただ、フタが熱くなりすぎると今度はつかめなくなるので、やはりかけるお湯は50~60程度が限度でしょう。

冷蔵庫で冷やした同じビンをいくつか用意して、
お湯の温度とかける時間でどれだけ開けやすくなるか、
という小学生の自由研究ができそうです。

まとめ

子供のころから何気なく見ているジャムなどの容器は、ガラス容器と鉄のフタって言う組合せが多いですね。

フタが熱で伸び縮みしやすい材料でわざと作られているのかどうか分かりませんが、
ガラスとの組み合わせで、材料選定もよく考えられているなと、改めて気付きました。

冬の季節は、鉄は冷えて縮んでいますので、フタは開けにくくなっています。
安全に適度に温めて、安全な開封ができるよう心掛けてください。

ー了ー

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