注意喚起|SNSでの“お金を配ります”系のDMへの対処法はこの一択

当ページのリンクには広告が含まれています。

知らない人から突然「あなたにお金をもらって欲しい」と、言われたらどうしますか?

しばらく下火だったと思いましたが、最近またSNSで流行し始めた感がある「お金配り」…

「自分にはたくさんお金があるが使い道が無くて困っている、ぜひもらって欲しい」と来ます。

私は以前、SNSでの外国人女性から来るDMにとことん付き合って、その顛末を記事にしました。

投資とTwitter/X|外人女性からのDMにとことん付き合ってみた件

この一連の経緯では、相手は香港株を買わせようとしてきました。
それも、変なアプリをスマホにインストールさせようとするオマケ付きでした。
全力でお断りしましたけど。

今回はこのお金をくれる系について考えてみたいと思います。

先日、私のSNSでの友人がこれ系のDMを受けて、
「何が正解なのか?」と半分困惑していました。

本件は、他での調査や私の考えたところも交えて、書いていきたいと思います。

このような「あなたに○○○万円をもらって欲しい」系のメールを受け取ったことのある人は、ぜひ、この記事を読んで、注意喚起を周囲に広めてください。

目次

お金配りの人の正体

見ず知らずの関係なのにお金をくれるって?
さて、彼らは一体、何者なのでしょうか?

結論から言うと、あなた名義の銀行口座を利用したい人達です。
そしてヤバいことに巻き込んで来ます。
※なお、銀行って書いてますけど金融機関全般と捉えてください。

わざわざ他人の口座を使おうとする時点で、何かを企んでいることは容易に想像できますよね。

大きなお金を動かしたいんだけど、自分や親類縁者の名義は使えない、使いたくない場合に、わざわざ他人名義の口座を用意して使おうとするのです。

銀行口座は開設するとき、住所氏名電話番号などの個人情報をしっかり登録します。
なので、何かトラブルがあると簡単に名義人にたどり着きます。

入出金の記録が年月日と何時何分何秒単位まで残っているので、ATMの防犯カメラと照合すると、どのような人物が取引したか確実に分かります。

そこで彼らはそこで痕跡を残さない方法を求めているのです。
SNSでちょっとやり取りした程度の相手なら、その条件にピッタリなんですね。

彼らは何をしようとしているのか

彼らは他人の銀行口座を使って何をしようとしているのでしょうか?

それは、今、流行の特殊詐欺の振り込み先に使おうとしているのです。

銀行口座が使えるようになるために、さまざまなウソ、作り話で相手を信じ込ませて、そして口座情報を得ようとします。
それが冒頭に紹介したような友人を惑わすような話になるのです。

下記はそのSNSのDMの一部です。
この相手は、「自分は余命いくばくもなく、慈善団体に寄付するために協力」を求めています。

友人はこの話に応じてはいませんが、もし色よい返事を返せば、数十万の謝礼とともに銀行口座を教えることになっていたのかも知れません。

彼らの話は実によくできていますね。
この他にも例えば、

  • 自分は末期のガンなので余命が限られている。
    数億のお金があるが身寄りもないのでSNSで知り合った縁で、ぜひもらって欲しい。
  • 自分は若いころから貧乏でガムシャラに働いて、一代で財をなした。
    自分と同じ苦労を若者にさせないように、返還不要の奨学金として若者に分け与えたい。
  • 夫が残した数十億の資産を有効に活用する方法を考えていたが、人が喜ぶ顔が何より心の支えになるので、ぜひこのお金をもらって欲しい。

などなど、とにかく「お金を配りますので、もらってください」という共通点があります。

話にのったら、ほぼ間違いなく銀行口座を教える話になるでしょう。

金銭の授受には銀行口座への振り込みがやはり主流なので、不信感を持たせないところが巧妙です。

銀行口座をどのよう使うか

さて、ここで疑問がでてきます。

仮にあなたの銀行口座情報が得られたとして、彼らはどのようにこれを利用するのでしょう?

お金配りなんだから、銀行名と口座番号以外は教えないですよね。

詳しくは、銀行名と支店名、口座番号と名義人、のみを情報として伝えたら終わりです。

これらの情報でできることは、外からお金を振り込むことだけです。
預金の残高を調べることさえできません。

通帳やキャッシュカードを渡してないから、預金を盗られることはないはずですよね。

何なら、普段は全く使っていない休眠状態の残高0円の銀行口座を教えるなら、なお安心でしょうか?

確かに、この口座でお金を引き出せるのは、あなただけです。

では、その巧妙なやり口を次に見て行きます。

お金を受け取る手口

では以下に、彼らが他人の銀行口座を利用して行う手口を紹介します。
あなたをA君、彼らをB氏として、会話形式で見て行きます。

「お金をくばるよ」ってDMに乗っかってしまった状態からスタートです。

B氏

ご連絡ありがとうございます。
それではぜひ、100万円を受け取ってもらいたいです。
あなたの銀行口座情報を教えてください。
銀行名、支店名、口座番号と名義人様の名前をお願いします。
数日中に振り込めると思います。

A君

ご指定あったように、口座情報を連絡します。
○○銀行○○支店、口座番号○○○○○○、名義人は私、○○○○です。

B氏

口座情報ありがとうございました。
数日中に約束の100万円を振り込みます。

A君

ありがとうございます、よろしくお願いします。

(数日後)

B氏

口座に100万円の振込入金を完了しました。
確認の上、必ず連絡ください。

A君

入金を確認しました。ありがとうございます。
これで夢が叶います…。

A君

マジかよ、ホントに振り込まれたぞ…

B氏

あの~…え~と、
誠に申し訳ないですが、今回の100万円の振込みに間違いがありました。
本来は、別のCさんに振り込む予定でしたが、手違いでAさんに振り込んでしまいました。
事務的なミスです。申し訳ありません。

B氏

申し込みが早かったCさんが優先なので、今回の100万円は一旦返金いただけないでしょうか?
その代わり、来月の入金の際はお詫び料として10万円を加算して振込みさせていただきます。どうかよろしくお願いします。

A君

わかりました。

A君

何か分からないけど損はしていないから来月まで待つかな。

B氏

振込み手続きをしてもらうのは手間ですし、手数料もかかります。
現金で引き出してお渡しいただけないでしょうか?
こちらの係の者がお住いの近くまで伺います。

A君

わかりました

A君はその後、100万円を引き出して指定場所で指定の人に現金を手渡した…

以上が彼らの理想的な動きです。

A君は、「翌月に延びたけど100万円+10万円もらえる」と信じてワクワクしています。

B氏からすると「ある人」が振り込んだお金を、リスクなしにまるまる受け取れたことになります。

…と、お気付きになりましたか?

この場合、A君は特殊詐欺の「出し子」にされているのです。

出し子とは
特殊詐欺などで被害者をだまして口座に振り込ませた現金をATMから引き出す役割の人のことを言います。

この場合、A君の口座にお金を振り込んだのは、だまされた老人なのです。
(若い人かも知れません、だまされた人です)

巧妙な話術で詐欺師から指定された振込先の口座が、A君の銀行口座です。
(ダマされて指定された口座が、たまたまA君の口座だったということなのです)

おばあさん

孫と思って言われたとおり振り込んだらダマされたんだと~?
誰の口座かなんて、知りませんよ

そうして、そのお金を引き出したのがA君、指定された人に渡したのもA君、防犯カメラに映るのもA君です。

A君は自分の銀行口座で特殊詐欺のお金を受け取って引き出し、これを詐欺犯の仲間に渡しました。

だまされたと知った老人は警察に通報し、銀行の情報から捜査が容易にA君に及ぶでしょう。

A君は詐欺の共犯として、逮捕されてしまうのです。

このとき、「SNSのDMでお金配りの案内があったからです」と言っても信じてもらえるでしょうか?

DMの内容をスマホのスクリーンショットで全ページ残していたら、少しは信じてもらえるかも知れません。

でも事件が表沙汰になる前に、相手はSNSアカウントを削除して消えているでしょう。

もちろん、来月の約束だった100万円+お詫び加算金は振り込まれることはありません。

客観的に見れば、A君は完全に詐欺グループの共犯なので、そこに至る経緯を説明してもなかなか信じてもらえないかも知れません。

返金をしなかったら?

「返せって言われても返さずにもらっちゃえばいいんじゃ?」と思いましたか?

事前に知っていれば、そういうこともできたも知れません。

しかし相手はきっと、誠意ある態度で信用させて、振り込み完了と返金のお願い、来月にやり直し、までを連絡してくるので、疑うことも断ることもできないでしょうね。

もし返金せずに「もらいっ放し」になったら、いろんな手を使って取り戻すような働きかけがあるはずです。

少なくとも銀行口座は、特殊詐欺の振込先にされているので、警察の調べが来るのにはそう時間はかからないと予想されます。

とにかく、お金が振り込まれたら犯罪に加担したことにされてしまいます。

詐欺集団に銀行口座を貸したことに変わりはないので、「そんなつもりじゃなかった」と無実を証明するにはかなり手間がかかります。

最善策は、銀行口座を教えないこと・知られないこと、です。

ウイズユー司法書士事務所 Web相談申込みプロモーション

まとめ

最近は人をだます方法もかなり巧妙化していますね。

それはSNSなどの匿名性の高いツールが普及していることで起こり得ます。
数十年前には考えも付かなかったような事柄です。

数年前にはZ〇Z〇の元社長のお金配りのような悪意のない例も見受けられましたが、例外中の例外です。
あれの偽物にも注意が必要ですよ。

例えば、街を歩いているとアンケートに答えたら景品をプレゼント、などと誘われたことはないでしょうか?

あれは実は大手企業が1000円程度の景品と引き換えに、個人情報を得るために行っています。
それでも1000円程度しかもらえない、個人情報の通常利用範囲での価値はそれが相場です。

親切はカネにはなりませんから、うまい話には必ず裏があると心に留めましょう。

基本的にタダで何かをしてくれる、という言葉の裏には何か別の目的がある、と考えておいて間違いないです。

10万円や100万円を何もなしにもらえるなど、絶対に裏に何かあると考えるようにしましょう。

ただほど高いものはない、です。

ー了ー

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次